発行する予測文はつねに同じ形です——「中心◯◯の半径300km圏で、30日以内に、気象庁マグニチュード5.5以上」。
的中判定はエリアを+30km、期間を終了後+7日まで許容します。この緩さは意図的なものです。世の中に流通している地震予測の「的中率」はおおむねこの程度の判定条件で作られており、同じ土俵の数字として比較可能にするために揃えています。判定を厳しくすれば数字はいくらでも謙虚にできますが、それでは比較ができない。かわりに、緩い判定の空虚さは下の「捕捉率」で自白します。判定期間は発行の翌日から起算します。
入力は気象庁の地震カタログのみ。衛星もAIも電磁波も使いません。各地点について見るのは:
地力 — その場所(半径330km圏)で1976〜2015年の40年間に、37日の窓あたり何回M5.5+が起きてきたか。
いまの熱 — 直近30日間にM5.0+が何回起きているか。
この2軸の組み合わせ(層)ごとに過去40年での経験的中率を較正し、較正値が75%を超える層に入った地点がある日だけ予測を発行します。層の区切り・背景率・閾値はすべて稼働前に凍結済みで、以後動かしません。動かした場合はモデル名の版数が変わり、旧版の成績と混ぜて表示することはありません。
使わないと決めたもの: 電磁波・電離層(TEC)・地磁気・ラドン・機械学習。理由は単純で、統計検証を通った実績がないからです。親サイトMurmur Earthの長期観測でも、これらに有意な前兆性は確認できませんでした。検証を通る日が来たら、その時は版数を上げて採用します。
モデルは較正期間(1976〜2015)と完全に分離した未知データで検証しています。2016年1月1日を起点に週次で回した単一の連続シミュレーションで、結果は:
アウトオブサンプル 2016〜2026前半: 20発行 20的中 (2024年以降は速報値マグニチュードでの判定。確定値で±0.1変わる可能性あり)
捕捉率: 2016年以降に実際に起きたM6.0以上142件のうち、事前に発行圏内にできていたのは11件 = 7.7%
この20件は台帳ページの「遡及検証の記録」に全件掲載しています(いつ・どこ・確率・何が当たったか)。気象庁の公開カタログで誰でも追試できます。
捕捉率は「当てた自慢」ではなく「見逃しの自白」です。的中率だけを掲げる予測は、この数字を隠しています。
不採用にした設計も記録に残しています。「大地震の直後にその周辺へ賭ける」方式は検証で61〜63%。「的中した直後に同じ場所へ追い賭けする」方式は46〜60%まで落ち、「的中直後」を独立の条件として較正し直した改良版でも66.7%止まり——いずれも基準に届かず棄却しました。負けた実験を消さないことも、この台帳の一部です。
予測は発行した瞬間に通し番号・発行時刻・条件・計算確率が記録され、以後いっさい修正されません。答え合わせは実データから機械的に行われ、外れも同じ大きさで表示されます。番号が飛んでいたら、それは削除の証拠です——だから飛びません。
この方式は、すでに活発化している場所の「続き」にしか賭けられません。静かな場所にいきなり来る初発の大地震——M6以上の約92%——を事前に言い当てる技術は、うちにも、世界のどこにも存在しません。
「必ず当てる」と言う者は、的をとても大きくしているか、外れを消しているか、そのどちらかです。うちは的の大きさを先に見せ、外れを消せない構造にしました。それがこのサイトの全部です。
国土地理院GEONETの「日々の座標値」18局から、ゆっくりした地殻変動(スロースリップ・余効すべり)を検出する計器を併設した。閾値は1997〜2015年で較正して凍結し、2016〜2023年の未知データで検証した(検出4件/8年・すべて2016年・2017年以降は7年間ゼロ)。「変動の検出中・直後に地震が増えるか」も検定した——答えはノーだった(β=−0.10±0.07)。だからこの計器の読みは、発行判定に一切使わない。地面がいま静かかどうかを言うだけの計器である。見える相手はMw6.5級以上・陸から100km以内のゆっくりすべりまで。海溝近くの小さな動きは海底観測の領域で、ここからは見えない。